× [PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。 最近よく夢を見るんだ。 僕は犬で、飼い主にとっても可愛がられてて、そして僕はいつも幸せに思う。 抱きしめてキスして、いつも僕と一緒にいてくれる。 彼がお出かけのときは、いつもおとなしくお留守番。 帰ってきた彼にとびつくと、彼は優しく笑って僕の頭を撫でて、「ただいま」。 美味しいご飯に暖かな寝床。 大好きなご主人様。 僕が先に天に召されるときも、ずっと僕のそばで頭をなでてくれていた。 「ありがとう、 」 ああ、神様。 生まれ変わったら、 にんげんになりたい。 君と結ばれるための赤い糸 目が覚めて、僕は自分の頬が濡れていることに気づいた。 ごしごし目元をこすって隣を見ると、そこには大好きな彼の寝顔。 「……そめおかくん」 名前を呼んで頬にふれて、泣きぼくろを指先で撫でた。 健康的な色黒の肌。 僕とは正反対だけど、男らしくて僕は大好き。 「……ふぶき?」 「あ、起こしちゃった?ごめんね」 まだ寝ぼけてるみたいな彼は、僕の手を引っ張った。 「わ、」 そして染岡くんの胸に倒れ込んだ僕を、彼はぎゅっと抱きしめてくれる。 それから頭にすりすりとすり寄られる感触。 寝ぼけた染岡くんの仕草で一番好き! 染岡くんは、何よりも僕を大事にしてくれる。 至れり尽くせりで大満足で、キスしてくれるのも頭を撫でてくれるのも僕だけだもの。 大好き。大好き。 何回伝えても足りないくらい! 「おはよう、染岡くん」 「……おう」 額にキスを受けて、僕も背伸びして彼の頬にキスをする。 ちょっと新婚さんぽくない? そんなことを考える度に幸せな気持ちになるんだ。 社会的には認められなくても、僕は染岡くんと一緒にいられるだけで幸せだから。 「なあ、吹雪」 「ふふ、どうしたの?お寝坊さん?」 「夢、みたぜ。」 「どんな夢?」 染岡くんの体温を感じながら、僕は夢見心地で囁きかけた。 「お前にスゲー似てる犬を飼ってる夢」 「え」 「ほんと似てんだよ。柔らけえし甘えん坊だし、ふわふわでよ」 「……!」 「俺はそいつが大好きで、そいつも俺のことが好きで……こいつがもし人間だったら、ずっと側にいてーなって思っちまって」 染岡くんは僕の頭を撫でながら続けた。 それって、その夢って。 「次に生まれ変わったら、今度こそこいつを守ってやるんだって、最期まで看取ってよ……胸がすかすかになんだ、ああ、俺はひとりになったんだって」 「……染岡くん」 「生まれ変わりとか信じてるわけじゃねえけど、もしかしたら」 「僕たちが出会うのは運命だった?」 僕がそう尋ねると、彼は照れくさそうに笑った。 「そういうこともあんのかもな」 「僕は信じるよ、そういうこと」 「お前なあ」 「だって僕も同じ夢をみたんだ。大好きなご主人様に愛されてとっても幸せだった犬の夢」 「……それ、」 「いつか人間になりたい。ご主人様ともう一度出会いたい。そのときは絶対に、人間の姿で、今度こそ」 染岡くんによく似たご主人様。 生まれ変われるなら人間になって、この人のそばにいたい。 これって運命だよ。 あの犬の願いが叶って、彼は僕に生まれ変わったんだ。 君の分まで、僕が染岡くんと幸せになるから。 だから僕の中の君はもう、眠ってもいいんだよ。 「吹雪」 「ん?」 「泣くな」 無骨な指先が僕の目尻を拭う。 あれ、僕泣いてたの? 「お前がもしあの犬の生まれ変わりなら言ってやんなきゃなんねえな」 「え?」 「ーー待ってたぜ、おかえり」 染岡くんが目尻を下げて、すごく優しい顔で微笑む。 その顔を見たら今度こそ涙が止まらなくなって、僕はしゃくりあげながら染岡くんに抱きついた。 「ただいま、ただいま……!」 「……まあ、生まれ変わりなんて非現実的だし、あんま俺は信じてねえけどな」 「ちょっとくらいロマンチックになってもよくない?」 「だってお前はお前だろ。俺が好きなのはお前だからな」 「そ、染岡くん~~!」 ぎゅっと染岡くんを抱きしめると、背中に彼の温かな腕が回された。 力強くて、太くて、安心できる染岡くんの腕。 そんな腕をもってる染岡くんが大好き。 いつだって僕のことを一番に考えてくれて、僕をとっても大事にしてくれる。 最高の僕の恋人。 「ふふ、僕も染岡くんだから好きになったんだよ。染岡くんじゃなきゃこんな気持ちにならなかったよ」 「……そーかよ」 「あは、照れてる?」 「お前なあ……」 僕の大好きな染岡くん。 どんな前世があったって、きっと僕らは赤い糸で繋がってたんだよ。 これって運命だったんだ。君と僕が出会うことは決まってたんだね。 だったら僕はその糸を何よりも太く長くして、そして君とまた繋がれるようにしておかなきゃ。 僕たちの世界が終わっても、また君と出会えるように。 ************ ネタ投下。そのうちサイトにうつさなきゃ。 PR この記事にコメントする
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