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あけました。今年もよろしくお願いいたします!
今年こそサイトの更新がちゃんとできますように。 それから関わるひとたちが幸せな一年になりますように!! 拍手もありがとうございます/// 今日のはすこし大人向けだから背後注意でどうぞ。 「菊始めって言うらしいぜ」 ニヤニヤしながらシャツのボタンに手をかけ、器用に外していく。 幾人もの男を手玉に取るだけあって、誘い方も、煽り方も心得ている。 人生経験は私のほうが積んでいるが、これに関しては全く敵う気がしなかった。 「まっお前なら知ってると思うけど。女は姫らしいけど男だからな。新年早々抱くのがオレなんてかわいそ」 狙ってやっているのかそうでないのか、唇を舐める舌がやけに妖艶に見えた。 行為に及ばうとしている高揚感からなのだろうか。 今すぐにでも押し倒して犯してしまいたい衝動をぐっと堪え、好きなようにさせた。 人を煽る以上に盛り上がるタイプなのだ。こうさせた方が後々可愛がってやれる。 「なあ、女じゃなくて俺を抱いてどう思う?」 腹筋に掌を当ててなぞりながら問われて、どう答えればいいのか思案する。しかしその答えを求めていたわけではなかったようで、私が二の句を継ぐ前に腹筋に口づけられた。 「……かわいそうなやつ」 もう一度言われたので、体を起こして違う、と声をかけた。 私は断じて可哀想などではない。 本心はどうかわからないが、それでも求めてくれることを嬉しく思っている。 嬉しく思っているのだから、可哀想などと言うのとは違うのだ。 「ラセツ。お前は自分を卑下するな」 「……」 「可哀想などと思うはずがない。私はお前に求められて幸せだ」 「もッ」 「そうではないのか?先ほどから、ずいぶんと熱いが」 「!」 意地悪く耳元で囁いてやれば、ラセツは体を硬くする。 耳まで真っ赤になっている。しかしそれは嫌だからではない。 こうされるのが好きなのだ。 それも付き合い始めてから知ったのだが。 「……したいのだろう?」 「う、うるせえ」 「菊始め、といったな。よく勉強している」 「……ッ」 「ここを、菊座ともいうのだ。それは……知らなかったようだな、その顔では」 布地の上から指を添わせて、そこがどこであるかを知らしめる。 あ、と小さな声を上げて、ラセツが身をびくりとはねさせた。 「新年の初めに菊座を開くから菊始め、だな」 「……もう初ヤりでいいじゃん……」 「風情があっていいとは思わないか?」 「風情もクソもねーよ。やることはセックスだろ」 「簡潔に言えばそうなのだがな」 「……シュテン。……やろーぜ、菊始めとやら」 私が残念そうにしているのを気にしたのか、ラセツは私にキスをしつつそうささやきかけてくる。相変わらずラセツの体は熱い。 顔を見る。もの欲しそうに潤んだ瞳。半開きの濡れた唇。 これを扇情的といわずに何と言えばいいのか。 煽られているのは分かっている。 「そう急くな。時間はたっぷりあるだろう」 「げっ……お前、どんだけするつもりなんだよ」 「お前が満足するまでな」 「いつも失神するまで嬲るくせにどの口が言うんだよ……」 まだ文句を言いたげにとがらせた唇を塞いで、舌で歯列を割る。 先ほどまでの戯れるような口づけはどこへやら、深く求めればラセツはそれに応えた。 そんなところも愛おしいと思いながら肌に手を滑らせ、熱くなっているそこには触れないように全身を愛撫した。 「さ、さっさと突っ込めってば」 「まだだ。するからには気持ち良くなりたいだろう?」 「痛いのもそれはそれで好きなんだよ」 「分かっている。だが、傷つけたくはない」 よっぽど、ほぐれた状態で抱かれている表情がより美しいと言ってやりたかったのだが、ラセツはそれを言われることをあまり好まないようだった。 なるべくラセツが照れて口ごもるような言葉を選び、その言葉とともに愛する。 とろけ切って何も分からなくなっている時に、私の言葉で、行為で刻み込む。 我ながら下衆だと思う。 それでも、ラセツには私だけを見て欲しいのだ。 今まで抱かれてきたほかの男のことなどもはや思い出してほしくない。 私だけを感じ、私だけを見つめ、私だけを求めればいい。 あまりに強欲すぎると自分でも思う。だから絶対に言葉にはしない。 代わりにこうして好意と態度で示している、ただそれだけだ。 「……っ、ぉねが、シュテン……ッ」 「……良い子だ。とても愛らしい……私のラセツ」 菊始めでこれでは、先が思いやられるな。 既に蕩けた声で啼くラセツを抱いてやりながら、次はどうしてやろうかと内心ほくそ笑んだ。 年初めの儀 シュテラセ PR この記事にコメントする
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