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途中まで攻略して放置してた戦国むそう4を久々に起動しました。
萌え転がりすぎて多少の気持ち悪さを感じます。自分に。 どうしてもサイトで作品を発表したい!と思ったきっかけが時代物関係だったので、やっぱりここは私の原点だなと思った次第です。 「ねー官兵衛殿」 「なんだ」 畳の上をごろごろと移動しながら半兵衛は私に声をかける。 体調がすぐれないのかと思ったが顔色はそんなに悪くない。 ただ単に移動するのが「めんどくさい」からそのようにしているのだろうが、まあ私の前でのみそうしてくれるならば特に問題はない。 以前ならばきちんと座られよと苦言を呈していたかもしれない。 よく言えば受け入れ、悪く言えば慣れたのだ。 「構ってよ~兵法書じゃなくて俺に構ってよ~」 「もうしばらくかかる」 「え~やだよ~」 駄々っ子のように手足をじたばたさせて、わざと幼子のように振る舞う。 愚鈍な振りをするのが半兵衛は得意だ。 そうして敵を騙すんだよ、敵を騙すには味方からって言うでしょと言われたこともあった。 半兵衛の容姿はそれに向いている。 年が二つ違うというのは割に大きなことであると思うのだが、半兵衛はあまり気にしていないようだ。二人並べば十人中十人が私のほうが年嵩に見えるというだろう。 「ねえ官兵衛殿」 「待っていろと言ったはずだが」 「うん。待つよ」 「……」 今までの駄々っ子はどこへやら、半兵衛はうん、と一度頷いて畳の上に胡坐をかく。 視線を感じる。穏やかな視線だ。そうして見られるのは嫌いではない。 兵法書を一通り読み終えて視線を半兵衛へ移せば、にっと笑った目と目があった。 「いい子で待ってたでしょ」 「その前に駄々をこねていたがな」 「えー。それはなしでしょ。だって言われてから黙って待ってたもん」 「最初からそうすればよかったのではないか?」 「ううん。最初からそれだと官兵衛殿は俺を無視して本ばっかりになっちゃうもん」 大事なことは先に言っておかないとね。半兵衛は口角をあげる。 勝った、と言わんばかりの笑み。 そうだ。最初から半兵衛の勝ちだ。私はこの男に勝てたことなど一度もない。 「……では何をすればよいのだ?」 「俺を見て」 「今見ている」 「もっと近くで」 乞われるままに近くに寄れば、私のものよりずいぶんと小さな手が伸びてきて、そのまま腕が首に回る。 ぐ、と引き寄せられて、耳元に半兵衛の吐息が触れる。 「俺、寂しかったんだから。ずっと見ててよ」 「……これでは卿が見えぬな」 「あ、そっか」 顔を離したかと思えば、ちゅっと音を立てて唇を吸われた。 「これならどう?」 「……これならば、よく」 「ふふ。じゃあもっと見て」 もう一度唇を吸われたので、半兵衛の望み通りもっとよくその顔を見るために、ゆっくりとその小さな身体に覆いかぶさったのだった。 戦むそ/官半 PR この記事にコメントする
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