× [PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。 R18というほどでもないんだけど、一応背後注意という意味で。 奥まった場所を擦りながら行き来する熱を感じて、腹の底から声が漏れる。 腹筋をなぞる優しい手の感覚がいとおしい。 刀を握る手は、ところどころにたこがある。 そのたこがまた、ちょうど自分の体の凹凸と擦れて気持ちがいい。 「……相変わらず感度がいいなぁ」 「ア、に、うえ」 「うん……大丈夫。ちゃんとお前の後ろにいるよ」 ちゃんと、ということを教えるように、熱い掌と太い腕が私の体を搦めた。 物心ついたときから、兄は私のそばにいた。私の記憶は兄の記憶といってもよいほどだ。 なし崩しにこのような関係になったが、兄との境が溶けて消えたようで嬉しくもあった。 たった数年私よりも早く生まれただけなのに、兄は私が生まれた時から既に兄だった。 身体が融けてしまうような快感は、まだ幼い私を狂わすには十分すぎるもので、同じようにまだ幼かった兄を狂わすのにも十分だったのだろうと思う。 それが欲しくて浅ましく腰を振る弟は、兄の目にどのように映っているのだろうか。 少なくとも兄にとって、自慢できるような弟ではないような気がする。 父に知られたら、なんと言われるかも大体想像はつく。 抱き寄せてくれる腕。背中に感じる厚い胸板。そのすべてが熱い。 まるで熱病に浮かされたような、そんな錯覚。 頭の芯まで蕩けて、このままではなにもなくなってしまうのではないか、と甘い危機感。 兄との行為はそれほどまでにたまらない。 「源次郎」 「はァ、アッ」 「いとおしいよ、お前が……誰よりも」 肩口を咬まれて腰が疼く。強請るようにくねらせてしまったが、きっと私はそれを望んでいる。 もっともっと欲しい。 兄上が欲しい。 戦むそ / 信幸(兄弟) PR この記事にコメントする
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