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SYN ★~sinと愉快な仲間たち~★
腐女子・BLという単語が判らない・嫌いな方は逃げて!妄想過多により健康を害する恐れがあります。
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今日も懲りずに女主夢だよ。とうらぶは男主夢でも女主夢でもかけるから最高にいいね…

お相手は長谷部。




【はたらきものの貴方のために】


わたしの近侍は、はたらきもの。
主に仕えるのが生きがいみたいな、男士たちはみんなそうなんだけど、その中でも一番。
わたしの視線の先をたどって、わたしが欲しいもの、したいこと、すべて汲んでくれる。
「長谷部くん」
「長谷部、でよろしいのですよ。主」
「わたしがそう呼びたいの。だめ?」
「い、いえ……だめ、ということはありませんが」

はたらきものの長谷部くん。
わたしよりも必ず早く起きて、私の身の回りのことを全部してくれて、私よりも遅く眠る。
もっと自分を大事にしてほしいんだけど、長谷部くんにとってはそんなの二の次なんだって。
主が第一。時々怖くなるくらい。
わたしは、自分を大事にしてくれる長谷部くんが好きよと言ったら、彼はどんな顔をするのだろう。

「それはそうと、主。先日五虎退が破壊してしまった刀装ですが」
「うん。五虎退ちゃんも傷を負ってしまったあれね」
「資材もたまったので、作り直しておきました」
「ありがとう長谷部くん。頼もうと思っていたの、助かるわ」
「いえ」

長谷部くんは嬉しそうに頭を下げる。長谷部くんは「あるじ」に褒められるのが何よりもうれしいみたい。
「あ、そうだ。長谷部くん、五虎退ちゃんを呼んできてくれる?」
「かしこまりました……が、何かありましたか」
「隊服のほつれを直したの。お洋服、返そうと思って」
「……わかりました」

あ、ちょっと不機嫌そう。



「こ、これっ、主様が?」
「ええ。ごめんね、もっと経験を積んでから行かせるべきだったね」
「い、いえっ、ぼくが……僕がふがいなかったから、みなさんに迷惑をかけたのに」
「そんなことないわ。長谷部くんも褒めてたわよ、頑張ってたって」
わたしが直した隊服をぎゅっと抱きしめて、五虎退ちゃんは照れたような顔をした。
「あ、ありがとうございます、主様……!失礼します!」
深々とお辞儀をしてから、五虎退ちゃんは障子を開けて部屋を出ていった。
連れている虎ちゃんが出ていきざまに振り向いて、リボンのついた尻尾を二度振った。
よく訓練されているし、それになによりかわいい。

「……長谷部くん、入ってきてもよかったのに」
「失礼します」
五虎退ちゃんと話をしているときから、ふすまの向こうに長谷部くんがいるような気がしていた。いつもわたしが誰かと話をしているとき、長谷部くんはそうしてそこで待っている。
近侍なんだから堂々としていていいのに、そういう部分は控えめ。
「喜んでもらえたみたいでよかった」
「もっと気をつけるように言って聞かせます」
「長谷部くんはよくやってくれているわ。いつもありがとう」
「いえ……御用がなければ失礼します」

あれ。背中のところ、少しほつれてる。
さすがの長谷部くんも背中に目はないものね。
「長谷部くん」
「なんですか、主」
「背中。すこしほつれてる」
「……失礼しました。直しておきま」
「わたしがやるわ。こっちへ来てくれる?」

長谷部くんは少しだけ驚いたように目を見開いて、それから視線を泳がせて、はい、と小さく返事をした。
「着たままでよろしいですか」
「ええ。前に座っててね、危ないから動いちゃダメよ」
「……はい」

服のほつれを直しながら、ちらっと彼の首元に目をやると、照れているのかほんのり赤らんでいるように見えた。
それがなんだか嬉しくて、わたしはわざとゆっくりとほつれを直してあげたのだった。


end.

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