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今日も懲りずに女主夢だよ。とうらぶは男主夢でも女主夢でもかけるから最高にいいね…
お相手は長谷部。 【はたらきものの貴方のために】 わたしの近侍は、はたらきもの。 主に仕えるのが生きがいみたいな、男士たちはみんなそうなんだけど、その中でも一番。 わたしの視線の先をたどって、わたしが欲しいもの、したいこと、すべて汲んでくれる。 「長谷部くん」 「長谷部、でよろしいのですよ。主」 「わたしがそう呼びたいの。だめ?」 「い、いえ……だめ、ということはありませんが」 はたらきものの長谷部くん。 わたしよりも必ず早く起きて、私の身の回りのことを全部してくれて、私よりも遅く眠る。 もっと自分を大事にしてほしいんだけど、長谷部くんにとってはそんなの二の次なんだって。 主が第一。時々怖くなるくらい。 わたしは、自分を大事にしてくれる長谷部くんが好きよと言ったら、彼はどんな顔をするのだろう。 「それはそうと、主。先日五虎退が破壊してしまった刀装ですが」 「うん。五虎退ちゃんも傷を負ってしまったあれね」 「資材もたまったので、作り直しておきました」 「ありがとう長谷部くん。頼もうと思っていたの、助かるわ」 「いえ」 長谷部くんは嬉しそうに頭を下げる。長谷部くんは「あるじ」に褒められるのが何よりもうれしいみたい。 「あ、そうだ。長谷部くん、五虎退ちゃんを呼んできてくれる?」 「かしこまりました……が、何かありましたか」 「隊服のほつれを直したの。お洋服、返そうと思って」 「……わかりました」 あ、ちょっと不機嫌そう。 「こ、これっ、主様が?」 「ええ。ごめんね、もっと経験を積んでから行かせるべきだったね」 「い、いえっ、ぼくが……僕がふがいなかったから、みなさんに迷惑をかけたのに」 「そんなことないわ。長谷部くんも褒めてたわよ、頑張ってたって」 わたしが直した隊服をぎゅっと抱きしめて、五虎退ちゃんは照れたような顔をした。 「あ、ありがとうございます、主様……!失礼します!」 深々とお辞儀をしてから、五虎退ちゃんは障子を開けて部屋を出ていった。 連れている虎ちゃんが出ていきざまに振り向いて、リボンのついた尻尾を二度振った。 よく訓練されているし、それになによりかわいい。 「……長谷部くん、入ってきてもよかったのに」 「失礼します」 五虎退ちゃんと話をしているときから、ふすまの向こうに長谷部くんがいるような気がしていた。いつもわたしが誰かと話をしているとき、長谷部くんはそうしてそこで待っている。 近侍なんだから堂々としていていいのに、そういう部分は控えめ。 「喜んでもらえたみたいでよかった」 「もっと気をつけるように言って聞かせます」 「長谷部くんはよくやってくれているわ。いつもありがとう」 「いえ……御用がなければ失礼します」 あれ。背中のところ、少しほつれてる。 さすがの長谷部くんも背中に目はないものね。 「長谷部くん」 「なんですか、主」 「背中。すこしほつれてる」 「……失礼しました。直しておきま」 「わたしがやるわ。こっちへ来てくれる?」 長谷部くんは少しだけ驚いたように目を見開いて、それから視線を泳がせて、はい、と小さく返事をした。 「着たままでよろしいですか」 「ええ。前に座っててね、危ないから動いちゃダメよ」 「……はい」 服のほつれを直しながら、ちらっと彼の首元に目をやると、照れているのかほんのり赤らんでいるように見えた。 それがなんだか嬉しくて、わたしはわざとゆっくりとほつれを直してあげたのだった。 end. PR この記事にコメントする
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